何年かぶりに実家へ行った。
1泊2日で日程的に大変ではあったが、
行ける時に行っておかないと何時まで経っても行けなくなってしまう
という気がしていってきた。
その際、壊れたトリップ35をもらった。
むかし私が撮られていたものなのかもしれないがまったく覚えていない。
中学生のときビートルズのレコード(!)、多分ホワイトアルバムの中の大判の写真
をコピーしようとして(つまり写真を写真に撮ろうとして)、
近接撮影時のレンジファインダー視野のずれに驚いた記憶がある。
さて、カメラはというと、シャッターは切れるものの、
赤ベロ(光量不足のときにファインダーに出る撮影不可マーク)が出ないし、
絞りも動かない。また、巻き上げクランクのノブもなくなっていた。
とはいえ、外観もレンズも綺麗だし、ケースのつくりが手の込んだもので驚いた。
むかしのカメラは、今とは違うものだったんだなという感じがする。
直せるものかどうかは判らないけど、とりあえず中を開けて様子を見てみることにした。
前玉の横にある小ネジ3本を緩める。
外してしまう必要は無いが、外してしまった方が紛失しにくいかもしれない。
周囲の枠と干渉してドライバーが当てにくく、
ねじ山をなめてしまう可能性がある点にも注意が必要。
このとき後で同じ位置にはめられるようにレンズの枠に自分で印を付けておく必要がある。
(←重要!)
私は、跡が残るのがいやで鉛筆で印をつけた。
が、組み立ての最終段階で微調節中に自分の指でこすって、
印を消してしまうというミスをした。
多分大丈夫とは思ったものの、テストするまで安心できなかった。
こういうものは、完成後確信を持って印を消す方が気持ちよかったと思う。
赤矢印の隙間に前だまの足が挟まり距離を決定するリングと連動する金具が見える。
先の写真に写るネジを外すと、セレン部と鏡筒部が外れるが、
その前に下カバーを開けて導線にゆとりが出るよう
三脚穴のところから導線を外しておく必要がある。
これで内部に触れることが出来た。
このカメラの場合は壊れていたわけではなく、掃除したら動くようになった。
このとき巻き戻し時に押し込むピン(なんていう名前かな?)が外れるので、
なくさないよう注意が必要。
レンズに触れてしまったのでレンズも掃除することにした。
やっぱりオリンパスの掃除にはオリンパスってところでしょうか。(笑)
ファインダーにカビのようなしみが出来ていたので軍幹部も開けて掃除することにした。
赤矢印の紙を剥がし、フレーム枠の印刷(?)されていないガラス面のみを
EEクリーナーで掃除した。
蒸着か何か判らないけどそれまでとれちゃうと困るかなと考えたからである。
劣化したグリスも取れるところだけとってほんの少しタミヤのグリスをつけた。
これは過ぎたるはなお何とかということが多いので、ほんとにほんの少し。
最後にクランクのノブ、我が家にあるカメラの中で使えそうなカメラは、
フラッシュフジカ2とハイマチックAF。
どちらも試してみるが、後者の物を使うこととした。
ちょっとサイズが大きすぎるので逆向きにつけざるを得ないが、
機能的には問題なし。ちょっと収納時に飛び出すかなという感じ。
使ってみた。なかなかいいあんばい。
余談だが、中学生のときTVの明日のジョーをどうしても記録したくて
(まだ家庭にビデオレコーダーは普及していない)、
一眼レフでTV画面を写真に撮ったこともあったと、今回思い出した。
下調べもせず、普通に速いシャッター速度で撮った。
当然ながら平行四辺形の絵が写り、当時はびっくりした。
今思えば、ビートルズも一眼レフで撮るべきだったなぁ、
どうしてこれで撮ったんだろう?謎→昔の自分。
それとも、そのようなものは撮ってはいけないと知るべきだったのかな?
2004.4.23.