もっと大きなピンホールかばん


ピンホール写真は解像度が高くないので、フィルムにとって引き伸ばすのに向かない。
それではいっそのこと、原版(普通の場合のフィルム)自体を 大きくしてしまおうと考え究極の大型ピンホールカメラを作ることにした。
とはいえ、大きなフィルムは高価なので、印画紙をフィルムとして使うことにする。
箱は、粗大ゴミ置き場で拾ってきた木箱を使う。顕微鏡か何かのレンズの収納ケースだった感じ
まずは内側をつや消しのラッカーで黒く塗る。
木箱 ゴム足
DIY店で購入してきた引出しの取ってとゴム足4個を取り付ける。
三脚の上に固定することは無理だろうから地面に直置きして撮影することになる。
取っ手
持ち運びを考え持ち手をつけることにするが、ここは安価な引出しの取っ手をつけた。
しかし、これは失敗。この持ち手の場合必ず手を握って運ばなければならないが、 もうすこし穴が大きく手首にかけられる方が使いやすかった。
ピンホールの裏
ピンホールの裏は、けられないように周囲を削り落としておく。
ピンホール
ピンホールは直接貼り付けても良かったが、 ホール径を変えたり、フィルターを挟んだりできるように、 ポケット式とした。
シャッターはビニールテープで行う。
全景
ピンホールの位置は地面に直置きするため上部に寄せた。
地面ばかり写る写真より対象物が大きく写る方が良いからね。

撮影の前に、暗室(といってもお風呂場)で四つ切りの印画紙を、中に両面テープで貼り付け、 ピンホールかばんの周り全周を黒のビニールテープで目張りしておく。
撮影場所へ移動の後、よーーーーく考えて、かばんカメラを置き、ビニールテープを開け、そして閉める。
何せ一度しか撮影できないのである。そりゃまぁ気合がいります。

現像後出てくる像は写真はネガなので、それを再度密着反転してポジを得ます。
(と書くと一行ですが、実際には乾かす時間が必要なので、二回暗室作業をしなければなりません。)


それで実際にとれた写真がこれ。
全体
この門は重要文化財らしい。
せっかく大きな写真を撮ろうとものすごーーーく面倒なことをしたのに、周辺が真っ黒。 けられが出ているような部分もある。左上。
しかし、その他は周辺減光的状態。
中央部分と周辺部分では、3倍ぐらいピンホールからの距離が違うから、レンズ無しの写真機では これが限界なのかな?と考えている。
それで、中央部の綺麗なところだけを切り取ると
中央
こんな感じ。
めちゃくちゃ手間がかかるカメラであります。ハイ。

これを作ったのは、3年ぐらい前なのですが、今回ようやくWebに載せられました。
スローなピンホールカメラ世界ですが、私はそれ以上にスローでした。(笑)

2004.6.13.


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